理想の演奏に近づける指導者側の姿勢

田畑裕哉 on 2015/05/09. Tags: , , ,

これまでに、初心者を含むオーケストラなどの指導では、
理想状態をあらかじめ明確に示す「目標到達型」指導が良いのではないかということを
述べました。
これを実践しようとするとき、
指導者側に必要な基本姿勢として、以下のようなことが考えられます。
私も、常にこれらを肝に銘じています。

1.曲の絶対的イメージ、価値観を持っておくこと
目標・理想を示すわけですから、
そもそもの指導者側に曲のイメージや価値観があり、
それを等しく演奏者に伝えなければなりません。
練習途上での「変更」ならばよいのですが、
これがいつまでも揺らいだままの状態であれば、
演奏者側が目標・理想を認識することができず、混乱してしまいます。
こうなると、目標・理想に直結させようとしていることを考えれば、
言うまでもなく、ほとんどの練習が無駄になってしまいます。

2.状態の観察力
合奏中、練習の進み具合、演奏の仕上がり具合などを観察することが必要なのは、
通常考えられる指導者の姿勢です。
ただし、単純に「何ができていない、どうすれば良い」という絶対評価的な観察ではなく、
目標に対して「何がどれだけ足りていないか、何をどれだけ足さなければならないか」という
逆算的・定量的に観察し、目標・理想との差異を把握することが必要だと思います。
その上でようやく適切なヒントを出すことができ、
また、このことは、切羽詰まった本番前の練習スケジュール組み直しの際にも役立つ考え方です。

3.ヒント案を豊富に持っておくこと
ひとつのヒントを出しても、
最終的に演奏者側が適切なイメージを着想できなければ、ヒントとしては無効です。
練習方法のヒントになること、目標のヒントになること、イメージのヒントになること、
さまざまなヒントをさまざまな言葉で提供できるように努めなければならないと考えます。
さらに、何度も述べるようですが、
直接的な部分練習の指示が明確であることよりも、
その先にあるイメージを適切に持たせることを重視すべきで、
そのイメージが無ければせっかくの部分練習指示も、
その有効性が最大にはならないと考えています。


コメントを残す