左手の練習は小指から始める

田畑裕哉 on 2015/05/10. Tags: , ,

今日は兵庫高校弦楽部の初心者指導に行ってきました。
1年生が入部し、ヴァイオリンパートは、みなさんが初心者ということでした。

楽器を初めてまだ数日。
しかしながら、楽器の構え方から、体の姿勢、指の形など、
すでに、ある程度まで完成させることができていて、驚いてしまいました。
日頃から2、3年生が熱心に指導しており、
トレーナーや顧問がいなくても、
部員たちの自助努力で指導を受け継いでいくシステムが備わっているのです。

今日はまず、
 ・右手の柔らかさ・弓の持ち方
 ・弓と弦の交わり方(y=b ただしbは定数/y=ax+bになってはいけない)
 ・左手の構え方(ドラマの外科医の手術室入室シーン)
 ・左手の形(生卵を持てるくらいの丸み・柔らかさ)
という超・基本的な姿勢を確認しました。

ただし、初心者ですが、
高校生の部活動なので、正攻法で技術を習得していく時間はありません。
秋には一人前の演奏者として、ステージデビューの予定が決まっています。
焦る必要はありませんが、目的をはっきりとさせて、
一石二鳥的に練習課題をこなす必要があるのです。

そのひとつ、
音階練習を始めるにあたって、
左手の4の指(小指)から、3の指(薬指)、2の指(中指)、1の指(人差し指)の順に
押さえる位置を確認してみました。
ふつうは、人差し指から、押える位置を確認していくと思いますが。

実際の演奏場面では、
基本的には親指-人差し指が基準になって、
ポジションを移動していきます。
なので、人差し指の位置をしっかりと定める必要があるのは言うまでもありません。
しかしながら慣れないうちは、
1から2、3、4に向かう途中で、どうしても1の指がずり上がって、
4、3、2、1と戻ってきたときに、1の指の音程(A線のいわゆる「シ」)がひどい状態になります。
そして、練習と号して、これを慣れるまで繰り返すのは
1の指がずり上がる練習になってしまうリスクがあります。

こどもではなく、大人の場合には
4の指から順番に押える練習をすることをおすすめしています。
なぜならば、
・1、2、3の指のずり上がりを防ぐ
・4の指(小指)が届きづらい
・左手の形がすぐに崩れる、安定しない
これらを一気に解消できると考えるからです。

ただし、形が正しくなければいけません。

基本的な姿勢として、小指から“誘惑する”ことをまずやってみます。
「カモーン」と言いながら、
下の図のように、
4(小指)から順番に3、2、1と、1本ずつ指を倒していきます。
これが、楽器を構えたときに自ずときれいな左手の形にするための、体操です。

ポイントは、
小指の指先を限りなく手首の真ん中に近づけるイメージです。
comeon0

このとき、自分から見て、
4から1までの指先が縦一直線に並ぶような状態が理想です。
comeon1
縦一直線に並ぶ状態にできれば、
左手の掌に自然なひねりを生み、小指のストレッチできていることになるので、
小指が届かないという悩みを解消
できます。

これはダメな例です。
comeon2
こんな誘い方では、誰も落とせません。
楽器を構えていないので、この失敗例は極端ではありますが、
小指が届かない場合や、1の指がずり上がる場合には、
このように、左手(掌)の自然なひねりが生み出されておらず、
ひらいてしまっていることが原因です。

こうして、4の指から押える繰り返しにより、
理想の左手の形を習得できるので、
1、2、3の指のずり上がらず、
結果として、1の指の位置が定まりやすいと考えています。
さらに、4の指の練習を後回しにすることによって起こる、
小指が届かないから嫌い、小指が届いても押えが弱くて音が細る、などの、
4の指アレルギーを未然に防ぐことにもなります。


2 thoughts on “左手の練習は小指から始める

  1. […] 生卵を持つ感覚で、ということを左手の練習は小指から始めるで […]

  2. […] まわないように、 生卵を持つ感覚で、ということを左手の練習は小指から始めるで 書きました。 […]

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