「写メ」

田畑裕哉 on 2010/12/25

今日は「写メ」という言葉について考えます。

そもそも「写メ(しゃ-)」とは、皆さんご存じ「写メール(しゃ-)」の略です。
写メールは、
カメラ付き携帯電話で撮影した画像を電子メールに添付して送信するサービスや、
メールそのもののことです。
ソフトバンクモバイル(旧J-PHONE)の登録商標で、
このサービスは、当時のJ-PHONEが携帯電話業界で初めて開始しました。
正確にはドコモが「iショット」でauが「フォトメール」ですが、
キャリアを問わず同様のサービスすべてが、
「写メール」と総称されるほど世の中に広く浸透している言葉ですね。

そこで、「写メ」という言葉が当たり前になってきている現在、
「写メ」は何を意味するのか、今一度考えてみます。

さて、皆さんは、どこで違和感を感じるでしょうか?

1.「写メ送ってー
  
  これは、誰もが理解できることでしょう。
  送信者側に保存されている(あるいはこれから撮影すべき)写真を
  メールに添付して送信することを要求しています。

2.「写メ撮ってー

  このあたりから意見が分かれてくるかもしれません。
  写メールとして今後送信する可能性のある写真を
  撮影することを要求しています。
  しかし必ずしも、メールとして送信するわけではないのです。

3.「写メ撮ったやつ赤外線でちょーだい

  これはどうでしょうか。
  もはやメールではありません。
  写メールとして今後送信する可能性のある写真を
  撮影し、保存していたところへ、
  赤外線通信での転送を要求しています。

さて、この3.の状況のものを「写メ」と呼んでいいでしょうか?
別にいいんじゃない?と思う人も、

3’.「写メール撮ったやつ赤外線でちょーだい

これには強い違和感を感じるはずです。
つまり、

(A)「写メ」という言葉の強い定着
(B)「写メ」と同じ効果を得られる機能の進化

この二つの同時進行によって、意味内容が
世の中の何となくの合意で書きかえられ(あるいは忘れられ)ている
のではないでしょうか。
そして、もはや、「写メ撮ったやつ赤外線でちょーだい」が
別に間違っていないという
世の中の何となくの合意が形成されているのだと思います。

めまぐるしく変わる社会情勢での世の中の何となくの合意に、
言葉の変化が追いついていない、顕著な例だと思います。
ほかにもたくさんありそうですね。

たまには日本語を扱う編集者らしいことを書いてみました。


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