神戸西洋菓子処「フーケ」 自己破産申請へ

田畑裕哉 on 2014/11/05. Tags: , , , ,

神戸で知らない人はいない洋菓子店「フーケ」が自己破産申請の準備に入ったことを、
東京商工リサーチの速報で知りました。
 
10月31日で事業を停止し、すでに弁護士に破産手続きを一任。
負債総額は約6億円にのぼるとのこと。
トゥース・トゥース、ア・ラ・カンパーニュなど、新興勢力との競合激化や
長引く個人消費低迷などの要因が重なり業績は減収基調をたどり、赤字に転落。
原材料費の高騰、震災以降の借入金などがさらに
経営状況を圧迫したようです。
 
6月末には、東急ハンズ前にあった三宮店を閉鎖しており、
たまたま前を通りがかったときに「あれ?」とは思っていましたが、
ついに破産申請に至りました。
 
私の誕生日や、大切なお客さんが家に来るとき
父親が、そごうに寄って買って帰ってきたのが「フーケ」でした。
駅まで車で迎えに来てと、母親に電話がかかってくるのは、
「フーケ」を持って帰ってきた日でした。
他の店とは一線を画す高級感がありながら
しかし、それでいてアンリ・シャルパンティエより親しみやすい
ケーキのラインナップが
わが家がちょっと背伸びするには、ちょうど良かったのです。
巾着状になった外袋のビニールをひらき、
白い箱を開けるときの楽しみはいつもでも覚えています。
人生で初めて、水にドライアイスを入れてゴポゴポ遊んだのも、
「フーケ」でもらってきたドライアイスだったはずです。
 
考えてみると確かに、大人になってから
フーケにはずいぶんご無沙汰していました。
三宮店を思い返せば、
その間に商品のラインナップも、お店の雰囲気も
なんだか変わってしまったような気がします。
パティシエさんや店員さんたちには大きなお世話かもしれませんが、
周辺に乱立するスイーツ店を前に、
迷っていたのでしょう。
諏訪山本店は何も変わらなかったのかもしれませんが、
もはやそこへ行く機会がありませんでした。
 
なんだか神戸の洋菓子業界全体が元気を失ってしまうような、
そんな気さえします。
神戸といえば、と言えるお店、
腕の確かなパティシエが、ちゃんといるお店、
そして、家族との思い出のお店がなくなってしまうのは、
とても残念なことです。


コメントを残す