楽器練習のPDCA

ビジネス活動の品質管理や生産の効率化の手法として、
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)という、
PDCA」はよく言われることです。

楽器練習、あるいは楽器指導においても、このPDCAを考えることができます。

Plan(奏法の計画)→ Do(奏法の実践)→ Check(演奏効果の確認)→ Action(奏法の修正)
の PDCAサイクルを回し、細かい課題について試行・確認を繰り返すことで、
全体のブラッシュアップを目指すというのが、楽器練習のPDCAです。

楽器練習では、たとえば、日課となるような開放弦のボーイング練習などでは、
無自覚に繰り返して、ウォーミングアップできたという自己満足に陥りがちです。
こういうときに奏法のPlan、それに対するCheckが無いのは
せっかく日課でやっているのにも関わらず、非常にもったいないと思います。

無自覚な練習への反省として、このPDCAはとても有効です。

一方、この練習方法では、
PDCAの回転数が適切な場合にようやく理想の状態に到達できるのであって、
練習時間が十分でない場合は、
PDCAの回転不足により、単純に理想状態まで到達できないこと、または、
PDCAの回転数は多いものの、
課題に対する小練習や新しい課題設定(=PlanとDo)が実情に比してハードルが高すぎるため、
確認の試奏(=Check)後にもう一度同じ課題に取り組むなどの「後退」が起こること、
この2パターンのリスクが考えられます。

したがって、この楽器練習・指導のPDCAは、
物理的な練習時間が確保でき、かつ、 理想に対する改善策がある程度形式的な場合にのみ、
有効な考え方と言えます。

なぜ?なぜ?を考える

曲の一部がどうしても上手く弾けない
 ↑ なぜ?
音が密集していて速い
 ↑ なぜ?
指が回らない
 ↑ なぜ?
指を適切なテンポ感で抑えられない
 ↑ なぜ?
無駄な力が入っている
 ↑ なぜ?
左手の構え方に難がある

一般的なフレームワークですが、
なぜ?なぜ?という問いを繰り返して深掘りをすると、
根本原因を明らかにすることができます。
ヴァイオリンの練習上でも当然、このフレームワークを利用することができます。

なぜできないのか?なぜそうなってしまうのか?を繰り返し、根本原因を探ります。

あまり繰り返し過ぎると、なぜヴァイオリンを弾きたいと思うのか、のような、
精神論的な部分にまで話が及んでしまうので、繰り返しは5回程度が良いと思います。

曲の一部がどうしても弾けない、よし、取り出して何度も繰り返し弾いて馴れよう!
という、
原因の表層だけを取り出して、それだけを潰そうとする練習は、
無駄とまでは言いませんが、非常にもったいないと思います。