音程の安定につなげる指の位置の確立

ヴァイオリンにはフレットが無いので、音程、つまり、左手の指の位置に関しては、
残念ながら「習うより慣れよ」の世界です。

ファーストポジションでも、
なかなか指の位置、ひいては音程が安定せずに困っている人は多いようです。
ただし、やみくもに慣れるのではなく、効率的な慣れ方があります。
ある程度、左手の構え方が決まってきたら、
次のような考え方で指の位置を確立していくことをお勧めします。

1.まずは1の指の位置を定めます。

2.1が定まったら、次は4の指の位置を練習します。
このとき、1の指の音のオクターブ上の位置を4の指で押さえられるようにして、それ以外の弦に展開します。
A線の1の指「シ」から始めるとすると、E線の4の指「シ」がピッタリ合うように押さえます。その位置が正しい4の指の位置ですので、その真横のA線に4の指のまま戻ると、正しい「ミ」になるはずです。
ただし、左手の構造上、真横にシフトしているつもりでも、低い弦になるにつれて高くとってしまいがちなので、ごくわずかに低く(向こう側に)指を押さえられるよう是正が必要です。

3.その上で2・3の指の位置を相対的にとります。
先ほど確定した1と4の指の音との関係で自然な音程になる2・3の指の音を確定させます。
例えば、A線では「シ」と「ミ」の間で、「ド♯」「レ♯」を確定させるような練習です。

4.2・3の指の音に♯♭などの臨時記号を想定します。
2・3の指を自在に操れるようにしますが、このとき1の指が動かないように注意します。
バスケットボールで言うところの、1を軸にしたピボットです。
先ほどの例の続きを考えると、「シ」に対して「ド(ナチュラル)」、もう一度「シ」に戻って「レ(ナチュラル)」をとります。

5.4の指の音に♭をつけたり外したりします。
ここで大切なのは、1〜3の指の位置を崩しすぎてしまわないように気をつけることです。

6.軸にしていた1の指の音に♭をつけたり外したりします。
1の指のみで練習してもよいのですが、2やほかの指を軸にして1の指の移動を練習するほうが音程を取りやすいと思います。

これらを踏まえた譜例は、また後日ご紹介したいと思います。

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