楽器練習のPDCA

ビジネス活動の品質管理や生産の効率化の手法として、
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)という、
PDCA」はよく言われることです。

楽器練習、あるいは楽器指導においても、このPDCAを考えることができます。

Plan(奏法の計画)→ Do(奏法の実践)→ Check(演奏効果の確認)→ Action(奏法の修正)
の PDCAサイクルを回し、細かい課題について試行・確認を繰り返すことで、
全体のブラッシュアップを目指すというのが、楽器練習のPDCAです。

楽器練習では、たとえば、日課となるような開放弦のボーイング練習などでは、
無自覚に繰り返して、ウォーミングアップできたという自己満足に陥りがちです。
こういうときに奏法のPlan、それに対するCheckが無いのは
せっかく日課でやっているのにも関わらず、非常にもったいないと思います。

無自覚な練習への反省として、このPDCAはとても有効です。

一方、この練習方法では、
PDCAの回転数が適切な場合にようやく理想の状態に到達できるのであって、
練習時間が十分でない場合は、
PDCAの回転不足により、単純に理想状態まで到達できないこと、または、
PDCAの回転数は多いものの、
課題に対する小練習や新しい課題設定(=PlanとDo)が実情に比してハードルが高すぎるため、
確認の試奏(=Check)後にもう一度同じ課題に取り組むなどの「後退」が起こること、
この2パターンのリスクが考えられます。

したがって、この楽器練習・指導のPDCAは、
物理的な練習時間が確保でき、かつ、 理想に対する改善策がある程度形式的な場合にのみ、
有効な考え方と言えます。

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