ヴァイオリンの音量の差は、
単純に弓に体重がかかっているかどうか、ということで表現することもありますが、
弓の毛の量に比例するということを
体に意識付けさせるのがよいと思います。
フォルテでは、弦に触れる弓の毛の量を増やし、
ピアノでは、弦に触れる弓の毛の量を減らします。
さて、弓の毛の量の増やし方は、というと、
●弓の長さを増やす
●弓の毛が弦に触れる面を増やす
この二つの方法が考えられます。
≪弓の長さを増やす方法≫
単位時間当たりの弓の長さを増やすわけなので、
自ずと速く弓を動かす必要があります。
なので、比較的はっきりしたパッセージや、
勢いが必要なところで乾いた明るいフォルテに適しています。
≪弓の毛が弦に触れる面を増やす方法≫
弓は通常、木の部分を少し向こう側に倒して、
毛が少し見える状態で弾きますが、
それを、ほとんど全ての毛が弦に吸い付いているように弾きます。
これをベタ弓と言います。
この場合は比較的ゆっくりな幅広いフォルテや、
だんだんクレッシェンドして向かう場合のフォルテにおすすめです。