左手の練習は小指から始める

左手の指の訓練について、ふつうは、人差し指から、押える位置を確認していくと思いますが
4の指(小指)から、3の指(薬指)、2の指(中指)、1の指(人差し指)の順に
押さえる位置を確認してみることをお勧めします。

実際の演奏場面では、
基本的には親指-人差し指が基準になって、ポジションを移動していきます。
なので、人差し指の位置をしっかりと定める必要があるのは言うまでもありません。
しかしながら慣れないうちは、
1から2、3、4に向かう途中で、どうしても1の指がずり上がって、
4、3、2、1と戻ってきたときに、1の指の位置はずれて、
音程(A線のいわゆる「シ」)がひどい状態になります。
そして、練習と思い込んでこれを慣れるまで繰り返すのは
1の指がずり上がる練習になってしまうリスクがあります。

4の指からの押さえ位置の確認をお勧めするのは
・1、2、3の指のずり上がりを防ぐ
・4の指(小指)が届きづらい
・左手の形がすぐに崩れる、安定しない
これらを一気に解消できると考えるからです。

ただし、形が正しくなければいけません。

基本的な姿勢として、小指から“誘惑する”ことをまずやってみます。
「カモーン」と言いながら、
下の図のように、4(小指)から順番に3、2、1と、1本ずつ指を倒していきます。
これが、楽器を構えたときに自ずときれいな左手の形にするための、体操です。

ポイントは、小指の指先を限りなく手首の真ん中に近づけるイメージです。

このとき、自分から見て、
4から1までの指先が縦一直線に並ぶような状態が理想です。

縦一直線に並ぶ状態にできれば、
左手の掌に自然なひねりを生み、小指のストレッチできていることになるので、
小指が届かないという悩みを解消
できます。

これはダメな例です。

こんな誘い方では、誰も落とせません。
楽器を構えていないので、この失敗例は極端ではありますが、
小指が届かない場合や、1の指がずり上がる場合には、
このように、左手(掌)の自然なひねりが生み出されておらず、
ひらいてしまっていることが原因です。

こうして、4の指から押える繰り返しにより、理想の左手の形を習得できるので、
1、2、3の指のずり上がらず、
結果として、1の指の位置が定まりやすいと考えています。
さらに、4の指の練習を後回しにすることによって起こる、
小指が届かないから嫌い、小指が届いても押えが弱くて音が細る、などの、
4の指アレルギーを未然に防ぐことにもなります。

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