すべては「鳴っている状態」をつくってから

高校生などの初心者の演奏を聴くと、
楽器が「鳴っていない」ことに気づきます。
これは、楽器が音を発していないということではなく、
楽器本来の音色が十分に発揮されていないということです。

大きな音が「大きな音」として役に立つためには、
それに対比する小さな音が必要です。
楽器が「鳴っていない」状態で単に音を小さくしようとすると、響きのない、
音が小さいだけの、演奏効果としての「小さな音」が出せない状態になります。
もちろん、楽器が鳴っていない状態では音を大きくすることもできません。
つまり、最初に学ぶべきことは、楽器を「鳴っている」状態にすること、
楽器本来の音色を十分に引き出し、響かせてやることです。

初心者が自分のボーイングやフレージングを考えるとき、
楽器が十分に響いている状態を最初に作ってから、
それをもとにさまざまな判断を加えていくことが大切です。

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